2020年06月16日
2020年大阪暁光高等学校入学式祝辞
大阪暁光高等学校に入学された新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。自宅での長い待機を経て、ようやく毎日通学が叶う日がやって来ました。どれ程この日を待ち侘びられたことでしょう。教職員一同も皆さんと同じ気持ちです。学園内に歓声が満ち、笑顔が弾け、勉学に励む君たちがいない学校なんて、舞台の緞帳は上がったものの、いつまで待っても開演のベルが鳴らない間の抜けた空間でしかありませんでした。改めまして、ようこそ君達を心から歓迎致します。
さて、皆さん方はこの間どう過ごされていましたか。6月になって分散登校が始まりました。中学校時代とは全く異なる環境に、戸惑いを覚えている人も少なくないのではと思います。これまでは、小学校時代からの同級生も沢山いたでしょうが、高等学校では知っている人は誰もいないと言う人も珍しくありません。現在本校に在籍する全学年生徒の出身中学校数は200校にも及びます。新入生だけに限って見ても120校を数えるのです。わくわくする気持ちと同時に、果たして友人は出来るだろうか、授業にはついていけるだろうか、と入り混じる複雑な思いの只中にいる君に、今届けたいメッセージ。それは学校の主人公は生徒、君自身だという本校の不動の精神を、教職員は何よりも大事にしているということです。言い換えれば先生の指示待ちではなく、どんな高校生活を送るかは自らがデザインし、豊かな色彩を施して行く、その醍醐味を存分に味わって欲しい。私たちはそれを主体的学びと称し、教職員はとことんその学びを支えることに全力を尽くします。そしてそれは、きっと卒業後君達の血肉となって、生きて行くうえで掛替えのない経験として記憶されてゆくことでしょう。
さあ、心躍る学校生活が始まると言うその出鼻を挫くかの如く、新型コロナウイルス禍が世界中で猛威を振るっています。我が国では緊急事態宣言は解除されましたが、決して収束した訳ではありません。第二波、第三波に如何に備えるか、片時の油断も禁物です。学園は可能な限りの感染症対策を講じますが、同時に皆さん方も自分と同様まわりの全ての人の健康と命を守るために、マスクの着用は言うに及ばず、最大限の注意を払って下さい。そしてちょっと気が早いかも知れませんが、3年後、5年後の自分を思い描き、これからの学校生活の一日一日を大切に過ごして欲しいと切に願います。
最後になりました。保護者の皆様には誠に不躾とは存じますが、是非本校教育への叱咤激励並びにご支援を心からお願い申し上げます。信頼してご入学をご決断頂いたことを良かった、と言って頂けるよう学園教職員一同全身全霊を傾けて精励することをお約束し、お祝いの言葉と致します。
2020年6月15日
学校法人千代田学園
理事長 髙橋 保