おはようございます。
桜の花びらが舞う、美しい始業式の日となりましたね。3週間ぶりの再会となりますが、みなさん元気に過ごしていましたか?今日は、始業にたりお話ししたいことが2つあります。
🔶1つ目は、この3月に退職された職員の方のことをお話します。この写真の方が誰か分かりますか?「施設グループ」で長年働いてこられた〇〇さんです。皆さんが親しみを込めて「掃除のおっちゃん」と呼んでいた方です。
〇〇さんは、長年にわたり本校を支えてくださり、この春退職されました。退職される日の朝、職員室に挨拶に来られました。「いろいろお世話になりました」と頭を下げられると、大きな拍手が起こりました。教員の誰もが、〇〇さんの働き方を尊敬していたからです。
川崎さんの仕事は、廊下や階段、下足室の掃除にはじまり、トイレの清掃、網戸の洗浄、ごみの回収、草刈り、グラウンドの整地、壊れた箇所の修繕、荷物の運搬など、本当に多岐にわたっていました。コロナの時には、毎朝6時半に出勤して、全教室のドアノブをひとつひとつ丁寧に消毒してくださいました。
年齢的にも大変なのに、嫌な顔ひとつ見せず、いつも黙々と取り組んでおられました。ある時、〇〇さんからこんなお話を伺いました。
「トイレ掃除では、驚くほど便器が汚れていることもあります。ウンチがそこらに飛び散っていて、『この子、服は大丈夫かな』と心配しながら掃除することもあります。でも、『やってられるか』と思ったことはありません。汚れた場所をきれいにするのが自分の仕事だから。この仕事は、清潔な場所を作っている、役に立っていると感じられるのが、嬉しいんです」
「掃除をしていると、生徒たちが『おっちゃん、おはよう!』と元気に声をかけてくれます。私にとって、生徒はみんな、孫のような存在です。生徒が勉強する場所は、きれいな方がいい。だから、できる限り整えてあげたいと思っています。」
雨上がりの下足室の掃除は、砂だらけになって特に大変だったそうで、何度も履いて砂を集めたそうです。
全校生徒のみなさん、こんないろんな人の見えない努力に支えられて、あなた達の学校生活は成り立っています。1月にトイレで器物破損があって、1年生の緊急学年集会を開いたので新2年生のみなさんには、特に〇〇さんのことを知って欲しいと思いました。
また、今日の話は進路のことを考える機会にもしてほしいと思っています。高校生活の大切な目的の一つは、自分の将来の進路を考えていくことです。就職先や進学先といった具体的な進路だけでなく、もっと根本的なところ
「自分はどんな人間で、どんなことにやりがいを感じるのか」「どんな力を持っていて、何に向いているのか」「どんな勉強に興味があって、何を学びたいのか」・・・・など、自分と向き合って欲しいと思います。
私たちの暮らしは、たくさんの人の「働くこと」によって支えられています。今、私が握っているマイクも、みなさんが見ているテレビも、あなたが着ている服も、今朝食べたパンも、すべて会ったこともない誰かの労働の成果です。どんな仕事も尊いものです。上下はありません。〇〇さんは、人が気持ちよく過ごせる環境をつくることに、大きなやりがいを感じておられました。
みなさん、自分にはどんなよさがあって、どんな 仕事に向いていると思いますか?自分と向き合い、そのことを考る1年にしてみてください。
🔶2つ目は、新2年生3年生の皆さんへのメッセージです。
新2年生のみなさん
入学してからちょうど1年。この1年間で勉強に意欲を持って取り組める人がずい分増えました。友達と支え合い、励まし合いながら頑張れる人が生まれています。新しいクラスでも、そんな関係性を作っていきましょう。
新3年生のみなさん
具体的に進路を決める大切な年です。それとともに、18歳という大人になる歳でもあります。自分の進路を考えると共に、広い社会的視野を持って学んでいってほしいと思います。また最高学年として、体育大会など全校をリードしていってくださいね。楽しみにしています。
それでは、みなさんいいスタートを切ってください。
以上で始業の挨拶とします。