おはようございます。春の訪れを感じる季節になってきましたね。今日は3学期の終業式、1年間の締めくりの日です。締めくくりにあたって皆さんに2つお話をします。
🌟1つ目は卒業式についてです。
2月21日に卒業式があり、3年生272名が巣立っていきました。とっても感動的な卒業式でした。1・2年生もたくさん参加し、3年生の門出を祝ってくれました。
大阪暁光高校の卒業式は他校と違います。どこが違うか、写真で比べてみてください。これが他校。これが大阪暁光高校です。壇上に注目してください。大阪暁光高校の壇上に上がっているのは来賓ではなく生徒です。暁光高校の卒業式は「生徒が主人公」の卒業式をめざしています。
第二部では、800枚の写真を使った『構成詩』が卒業式運営員によって読み上げられました。参加した在校生は、「先輩たちが過去に辛い経験をしながら、自分自身を変えていった姿に私もそうなりたいと思った」「もっと学校生活に積極的に取り組んで今の自分を変えたいと思った」など、前向きな変化が生まれています。1・2年生のみなさん、充実した濃いー高校生活を送っていってください!
🌟2つ目は、皆さんの半年間の成長と、学ぶ意味についてです。昨日、成績報告の職員会議が開かれました。いくつものいい変化が生まれていることが報告されました。
2年生は、12月に沖縄に修学旅行に行きました。平和の問題を真剣に学ぶ姿が報告されました。「ひめゆり資料館」では、多くの人が熱心に展示に目を通し、「時間がなさすぎる」と嘆くほどでした。
1年生の中には、沖縄戦について知らない人が多いかもしれません。今から約80年前、日本は中国やアメリカに戦争をしかけました。アメリカ軍が沖縄に上陸し、沖縄では住民を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられ、多くの尊い命が奪われました。看護師が不足する中、看護補助として戦場に駆り出されたのは、皆さんと同じ年ごろの女学生たちでした。資料館は、約100名の「ひめゆり学徒」が命を落としたガマ(壕)の上に建てられています。
また、現在の沖縄が抱える問題について、ホテルで糸数慶子さんの講演を聞きました。米軍基地がある沖縄で、沖縄の少女たちがアメリカ兵による性暴力を幾度となく受けているという話を伺い、日本の平和の現状について深く考えさせられました。
🌟1年生、2年生の中に「勉強が嫌じゃなくなってきた」「『覚えよう』ではなく『理解しよう』と思うようになってきた」「感想をすらすらかけるようになってきた」「友達と教え合いが出来ることが嬉しい」などの変化が生まれています。
1年生は、数学の授業で「角知り器」(かくしりき)という道具を使い、三角比利用して暁光坂の高さを測定したそうです。測定すると、坂の角度は10度で、高さは5.5メートルだったそうです。
この授業で、たくさんの人が生き生きと感想を書いていました。「三角比めっちゃ便利!」「暁光坂は30度ぐらいあると思っていたけど、10度だったのでびっくりした」「次はもっといろんなものを測りたい」などです。「こんな計算、何のためにやるの?」とよく言われる数学の授業で、こうした感想が生まれていることをとても嬉しく思います。もっといろんな教科で勉強に対する発見が増えるといいですね。
🌟さて、皆さんはどうしていろんな教科を学ぶと思いますか?
写真を見て考えてみてください。このような綺麗なガラスのコップにお茶が半分入っています。皆さんは、このお茶をどう表現しますか?
数学を勉強するとこのように表現できます。
「200 mlのコップに1/2入っている、100 mlのお茶」
社会を勉強するとこのように表現できます。
「イタリア製のコップに入っている、原産地が宇治のお茶」
国語を勉強するとこのようになります。
「美しく輝くグラスに入っている、ふくよかな玉露の香りがするお茶」
理科を勉強するとこのようになります。
「ソーダ石灰を使って作られたグラスに入っている、ゲラニオール成分の香りがするお茶」
つまり、いろんな教科を学ぶと…物事をいろんな角度から考えることができるようになるのです。勉強すると同じモノが、違う角度から見れるようになってくるのです。私たちは、苦しくなるとどんどんモノの見方が狭くなり、凝り固まってしまいます。勉強することで、多様な視点や価値観を身に付けることができるようになります。モノの見方が豊かになって、あなたの発想を自由にしてくれます。どうでしょう、重なるところはあったでしょうか?
🌟最後になりますが、この中に進級が危ぶまれている人もいます。特に2年生では、これまでにないほど多くの追認対象者がいて、担任の先生方が昨日は遅くまで保護者の方に連絡を取っていました。来週から始まる追認。しっかりと乗り越え、落とした単位を取り戻し、進級してほしいと思います。
4月8日、新たな決意に満ちた皆さんに出会えることを楽しみにしています。
(劇作家鴻上尚史さんの視点を参考にさせてもらっています)