みなさん、おはようございます。今日は終業式、1学期の締めくくりの日です。
先週、職員会議がありました。学年主任の先生から、各学年の様子と一人ひとりの成績が報告されました。たくさんの成長している姿を知ることができ、嬉しく思います。一方、成績や欠席で大変心配な生徒が何人かいました。このあと三者懇談があると思いますが、しっかりと振り返ってください。
今日は、私が感銘を受けた1学期の2つの行事について、お話します。1つ目は体育大会応援団です。
応援団には全校生徒の1/3が参加しましたが、3年生の姿勢に大変感銘を受けました。1・2年生のみなさんは知らなかったと思いますが、3年生は、昼休みにも応援練習が終わった後にも集まって相談をしていました。
「1・2年生が『明日も来たい』と思えるような練習になってるだろうか」「どんな声かけをしたら、1・2年が早く団に溶け込めるだろう」「どんな動画を作ったら、踊りが苦手な子がマスターしやすくなるだろう」……振り付けや隊形と共に後輩のことを考えていました。そんな3年生の励みになったのが「私、踊りを覚えるのが苦手なんですけど家で自主練してきます」という1・2年生の前向きな姿でした。
また、色別学習会で3年生は、1年生にしっかり充実ノートを教えられるようにと、事前学習会をおこないました。学習会当日、緊張した3年生は「自分が1年生の時に教えてくれた3年生の姿を思い出して頑張った」そうです。すばらしい伝統が引き継がれています。1・2年生のみなさん、このよき伝統を受け継いでいでいってくださいね!「わずか12日で人間は大きく成長することが出来る」……このことをみなさんに教えてもらいました。
2つ目は、6月21日に開催された生徒総会です。総会は代表参加でしたので、今放送を聞いている多くの人はその場を知りませんが、こんな様子でした。会場は熱気に溢れ、我先にと手が挙がり、食堂や施設設備、授業に対する要求が出されました。その姿に感銘を受けました。
どの要求にも「学校生活をよくしていきたい」という思いが込められていました。私は、生徒会の要求実現運動は、皆さんにとっても、これからの日本にとっても、貴重なものだと思っています。
実は、若者に対する国際調査のある質問項目について、日本だけ極端に低い結果がでています。この質問です。
みなさんは「はい」と答えますか?「いいえ」と答えますか? ここにある6カ国を比較した時、一番高い国はどこだと思いますか。
このようになります。
ざっくり言うと、中国、インドでは、若者が10人いると、7~8人が自分の行動で社会を変えることができると考えています。イギリス、アメリカ、韓国では、約半分の人が自分の行動で社会を変えることができると考えています。一方、日本は、10人のうち3人位しか自分の力で社会を変えることができると思っていません。残りの7人は世の中は変わらないと思っています。みなさんは、どうですか?
この原因はどこにあるのか……
「日本の学校に大きな原因がある」と言われています。日本の学生は、学校生活の中で身近な学校を「変えた経験」や「創りあげた経験」がほどんどありません。学校が「世の中は変わらない」ことを教える場になっているというのです。加えて、学校で多くの子どもたちが自信を無くしています。私は、学校こそ「あなたは次の時代をつくる力を持っている」と伝える場でなければならないし、その力を育む場でなければならないと思います。
暁光高校は、生徒の意見に耳を傾けられる学校でありたいと考えています。
昨年度は、皆さんの要求の中で、✤昼休みのアイスクリームの販売開始、✤職員室の鍵掛けを入口に近い場所に変更、✤ PayPayを使える自販機に交換など、様々な要求に応えました。今年度も生徒総会の後、左側のエレベーターを各駅停車にしています。(その他の要求は9月に生徒会代表者に返答予定)
「社会の主権者になる力」をつける点で、生徒総会も体育大会も貴重な体験です。そしてこれから、さらに2つのとりくみが始まります。1つは文化祭、もう1つは能登半島被災地ボランティアです。
文化祭では視野をひろげ、クラスのみんなと素晴らしい学びと展示を作ってください。能登半島ボランティアは有志参加ですが、世の中に直接働きかける取り組みです。40名のみなさん、大阪暁光高校を代表して頑張って来てください!
今年の夏は、観測史上最も暑かった昨年に匹敵するといわれています。暑い夏を一緒に乗り切っていきましょう。始業式に元気な姿をみせてくださいね。以上で、私の終業の挨拶を終わります。
2024年7月21日
校長 谷山 全