2023年7月20日(木)終業式より
みなさん、おはようございます。今日は、終業式。1学期の自分自身について振り返る日です。2つお話をします。
1つ目の話です。
1学期のみなさんの成長についてです。職員会議で学年主任の先生が、各学年の様子を報告されました。成績や欠席で進級に関わる状態の人が何人かいたことは心配ですが、成長している姿がリアルに報告され、嬉しい内容がいくつもありました。1年生は、入学してわずか3ヶ月しか経っていないのに、勉強や友達づくりにおいて大きく変わったという人が沢山いて驚かされたし、3年生は、最高学年の自覚が育っていることを頼もしく思いました。
そのことを感じたのは、全校生徒の約1/3が参加した体育大会応援団です。練習の時からずっと雨にたたられた体育大会でしたが、3年生は、「1・2年生が明日も来たくなるような練習にしよう」と、常に相談していたそうです。
「充実ノート学習会」で、事前学習までして一生懸命1・2年生に教えている姿にも感動しました。1・2年生のみなさん、このよき伝統を、受けついでいってくださいね!
皆さんの変化から、気付かされたことが2点あります。
1点目は、物事に挑戦し「やり切ること」の大切さです。3年7組の団旗を作成したYさんの感想です。「今まで学校行事で、重要なことを一度もしたことがなかった。今回、団旗をつくることになり、いろんな人と遅くまで残り、たくさんの人の手伝いの中で完成した。みんなで一つのものを創りあげていく楽しさや素晴らしさを実感することができた」 と語っています。新たなことに挑戦して「やり切る」ことが自信となり、人を一回り大きく成長させるのだと改めて思いました。
2点目は、学習会が持つ力です。私が思っていた以上に、人を変えるきっかけになるということを知りました。
3年生のOさんです。「以前は、人に合わせることしか考えず、自分を出さないように、嫌われないように、そのことだけを考えて生きている自分が嫌で、何度も死にたいと思っていた。それが、放課後学習会に参加するようになり、これまでの友だち関係とは違う安心感と楽しさの中で、小学校の時に否定された自分をやっと取り戻せたように感じている」と語っています。「小学校の時に否定された自分をやっと取り戻せたように感じている」と・・・10年経ってやっと自分を取り戻せたなんて、すごいことだと思いませんか。
Oさんに共感できる人がきっと何人もいると思います。みなさん、2学期、ぜひ放課後学習会に残ってみましょう。
■ 2つ目の話です。「何のために勉強するのか」「なぜ学ぶのか」について、これから自分なりの答えを見つけていって欲しいと思います。
勉強は、単にテストで良い点数を取るためだけにするのでしょうか?あるいは、希望の学校に進学するためだけにするのでしょうか?
1学期議案書討議では、自分の生活を通して生まれてきた社会に対する深い疑問が、たくさん語られました。
✤なぜ、日本では高い奨学金を借りないと進学することはできないのだろう?
✤なぜ、それらが「自己責任」として片付けられてしまうのだろう?
✤なぜ、男女の格差がこんなにも大きいのだろう?
✤本当に、私たちが納めた税金の使われ方は、これでいのだろうか?
どれもこれも重要な疑問ですが、答えを見つけるのは簡単ではありません。「だから学ぶんだ!」というSNSの動画がありました。「ドラゴン桜」の桜木先生の言葉です。4分ほどなので見てください。
https://vt.tiktok.com/ZSLuCrT9R/ (開いてみてください「真の勉強とは」ドラゴン桜)
過激で侮蔑的な言葉も含まれていましたが、どう思いましたか。桜木先生は、国民人ひとり一人が物事の本質を見抜ぬく力、騙されない力をつけるために、学ばなければならないと語っています。学ばないと、疑問すら持たず、ただ「馬車馬」として使われるだけの国民になってしまう。それでいいのか!と問いかけています
歴史を振り返ると、国民は幾度となく「馬車馬」として利用されてきました。「なぜ学ぶのか」に対する1つの意見ですが、これから始まる文化祭、多くのクラスが「未解決の問題」をテーマに取り上げて考えていきます。
もちろん暁光高校の文化祭は、「よしもと芸人」を呼んだり、キッチンカーや模擬店を出したりと楽しい企画が沢山あります。(過去にはアインシュタインやさやかも来校してくれました!) しかし同時に、クラスごとにテーマを決め、探究的に学び、貴重な話を聴き、発表する取り組みも行います。原爆や沖縄戦、子ども食堂、男女平等、SDGsなど、今年も様々な問題にクラスが取り組みます。
「学ぶ文化祭」に取り組むのは、この学校の教育理念が「命を何よりも大切にし、平和で民主的な世の中を実現するために努力できる人間を育てること」だからです。文化祭を通して、みんなで一つのことをやり遂げる喜びと共に、学ぶことの大切さや学ぶ目的について、多くの人が新たな発見をすることを期待しています。
以上で終業の挨拶を終わります。