おはようございます。
外はうっすら雪化粧。気温は1度。こんな凍るような寒い朝に遅刻せずに登校し、放送を聞いているみなさん、頑張っていますね。始業式から4ケ月、長かった2学期が終業します。
今日は3つお話します。
1つ目は「嬉しい話」です。
この写真、どなたかわかりますか? バス通学の人にはわからないと思います・・・
学校の下の楠小学校の坂田校長先生です。(写真掲載ご許可はもらっています) 月に一度、地域の会合でお会いしていますが、11月の会合でこの写真を見せながら、評価して頂きました。
「4月に校長になって毎朝挨拶に立っていますが、挨拶してくれる生徒さんが増えてきて嬉しいです。試験の時は勉強しながら登校する子もいるんですよ。頑張っていますね」と評価して頂きました。
言うまでもなく、学校は単独で存在しているのではなく、何十年も住まわれている方、暮らしを立てるために働いていらっしゃる方がいる地域に存在します。ここは楠町、駅周辺は木戸町、すぐ隣は松ヶ丘町です。私たちは、地域の方から信頼される学校でありたいと思います。その意味で楠小学校の校長先生のお話は、とても嬉しいものです。
2つ目は「大きな話」です。
4年に一度のワールドカップが終わりました。サッカーファンは淋しくなりましたね。私もサッカーが大好きなので、開催期間中は睡眠時間3~4時間でぶっ倒れそうになりながら仕事と両立していました。日本代表も勝ち上がり、大いに盛り上がりました。
「大きな話」というのは実はワールドカップの話ではないのです。
国がワールドカップでフィーバーし、特集番組が組まれ、ニュースの優先順位が入替わる中で、国民の多くが知らない間に「日本の国のあり方が大きく変わる決定」がなされたことです。何の事か「ピン」ときた人、いますか?
先週土曜日の新聞の一面です。
戦後77年、日本は平和憲法を持つ国として「戦争をしない」「軍隊を持たない」ことを定めて歩んできました。「じゃあ自衛隊は?」となりますが、政府は「自衛のための実力」と扱っています。
先週金曜日(12/16)、政府はこれまでの日本の歩みを大転換させる3つの決め事をしました。単純化しすぎるのは良くないですが、これまでの日本の考え方は、「先制攻撃は決しておこなわず、日本が攻撃された場合のみ、国を守るために反撃する」というものです。それが「攻撃される危険性があると政府が判断すれば、相手国の基地にミサイルを打ち込むことができる」とされました。
賛成する意見は「相手国が日本のことを恐れて攻撃しにくくなくなり、日本の安全性が高まる」というものです。批判も起こっています。「政府の判断で日本が先に戦争を仕掛けることができる国になってしまう」等です。
ミサイルなどの攻撃のための兵器やシステムをどうするのか。
政府は「5年間で防衛費を1.5倍にする。そのための増税をおこなう」としています。岸田首相は「国の安全が全ての土台。未来の世代への責任として背負っていくべき」と語っています。これに対して「防衛費を1.5倍にすると、今世界9位の防衛費が世界3位になる。本当に予算を使うべきは、国民の福祉や暮らし、教育ではないか」等の批判が起こっています。
論点はもっとありますが、賛成、反対、それは個人の自由です。私が伝えたかったのは、日本のあり方や暮らしに関わる「大きな問題」が起こっている時、たとえワールドカップがあっても、たとえ仕事で忙しくても、たとえマスコミの報道が少なくても、アンテナを張って関心を持っていたいということです。もちろん自分自身も含めて。
3学期、国会で大論議になります。ぜひ自分の意見を形成していってください。
3つ目は「みなさんに知って欲しいドラマの紹介」です。
明日(12/24)の夜10時から、私がすごく楽しみにしている超マイナー番組があります。
タイトルは「引きこもり先生2」。先週前編があって明日後編があります。観た人はいるでしょうか?
本当に考えさせられる番組だったので、思わず紹介しようと思いました。
11年間のひきこもり経験のある佐藤二朗ふんする上嶋陽平は、地域の中学校で不登校生徒が通う「ステップルーム」の非常勤講師になり、サポートを始めました。この中学校は地域一の「成績優秀校」で、先生たちはナンバーワンを維持するのに必死。成績の悪い子はクラスで見下されバカにされ、不登校は2倍に増えます。
ある日、ステップルームの生徒のみなみちゃんが作った作品が壊されます。犯人は出てきません。「誰ですか!!」と叫ぶ上嶋先生。それに対して生活委員の松田篤人は「誰でもいいんじゃないですか?関係ねえし・・・」と表情を全く変えずに答えます。
「なんだこいつ!」と思ってしまうような篤人。しかし、実は彼は、家で寝たきりのお母さんの介護を一人小学校から続けている「辛い」と言えないヤングケアラ―でした。
ドラマはこんな感じで展開していきます・・・・
いま、学校には「泣けない子どもたち」があふれているといいます。苦しんでいることを周りの大人に言うことができず、自分の胸にぐっと収めたまま耐える子ども、「生きているのが辛い」と口に出せず、一人で頑張っている子ども。
そんな「泣けない子ども」の苦しみに一番深く寄り添い「一人で苦しかったね。泣いてもいいんだよ」と語りかける上嶋先生に、自ら振り返る機会をもらいました。ドラマでは、他にもコロナ禍で悩み苦しむ若者の姿があぶり出されています。
みなさんの中に、家に帰ると逃げ出したくなる思いに駆られる人がいるのではないでしょうか。病気を抱える家族の対応があったり、喧嘩が絶えなかったり、生活費のことでもめていたり…。家で心が休まらないのは本当に辛いですよね。あなたはすでに頑張りすぎるくらい頑張って生きています。
昨日の職員会議で成績報告がありました。一人一人が抱える背景に思いを馳せながら聞きました。学校は皆さんに生きる力を与える場でありたいと強く思いました。
希望ももらいました。友達と共に学び、行事を創りあげる中で成長してきた姿がたくさん報告されました。
今から通知表が渡されます。頑張れたこと不十分だったこと、2学期の自分をじっくり振り返りましょう。3学期、全員が進級し卒業できるよう、みなさんと一緒に成長を作っていきたいと思います。
ではみなさん、よいお年を!
以上で2学期の終業の挨拶とします。
校長