みなさん、おはようございます。
2学期が始まりました。今日の始業式では、3つの話をします。
◆まず、1つ目です。
私の声がいつもと違うことに、気付いてくれた人はいるでしょうか? 実は、コロナに罹患し、昨日まで自宅療養していました。発熱は最高38.5℃ぐらいで、インフルエンザに近い感じでした。感染にはとても気を付けていたので、どこで感染したのか見当が付きません。
コロナにかかった先生の中には、40度の高熱が4~5日続いた人もいます。後遺症で苦しむこともあります。私も頭痛が治まりません。初期の様に肺炎になって命を落とすことは無くなってきていますが、基礎疾患があったり祖父母が近くにいる人は、大きなリスクとなります。
今日から集団生活が始まります。感染が広がらぬよう、しっかり対策してください。「手洗い」「マスク」「向かい合って食べない」等、出来ることをきちんとやりましょう。体調に異変があったら、無理をせず休んでください。私の場合、喉のひっかかりと頭痛からコロナは始まりました。
◆2つ目です。
8月13日の朝日新聞1面のコラムからです。「自分とは違う立場の人への思いやりの大切さについて」述べられた600字ぐらいのコラムですが、このような書き出しで始まります。
「缶切り、小刀、カメラ、自動改札……。共通点は何か」
この後、コラムは何と続くと思いますか? こう続きます。「左利きの人に使いにくいことだ。どれも基本的に右利きを想定して開発されている」 8月13日は「世界左利きデー」でだったんす。
駅の自動改札を通る時、これまで考えたこともなかったのですが、左利きの人にとっては、こちら(右側)にセンサーがある事が不便なんですね。日常生活の中で右利きの人には普通のことが、クラスに3人は存在する左利きの人にとっては不便の連続であったりするんですね。
1学期の終業式でもお話しましたが、自分とは違う立場や少数者のことを理解することは、意識しないとこぼれ落ちていきます。学習しないとわからないこともあります。
8月6日に、文化祭実行委員会主催で在日コリアン(日本に住んでいる国籍が韓国朝鮮の人たちです)がたくさん住む、京都の「ウトロ地区スタディーツアー」を行いました。27名が参加しました。
・戦争中、200万人もの朝鮮半島の人々が仕事を求めて日本に来たり、強制的に連れてこられ、日本で生活していたこと
・日本の植民地であったため、貧しくて、どんな差別を受けても生きていくために我慢しなければならなかったこと
・日本が戦争で敗れた後も祖国に帰ることができず、残った人がたくさんいること
・今も差別が続き、昨年の8月にはウトロ地区への放火があったこと
ガイドの金さんが、こんな言葉を紹介してくださいました。「最大の悲劇は、悪人の圧政や残虐さでなく、善人の沈黙である」(キング牧師)
参加者の1人は、「こういった町があることを知らなかった。日本の戦争の歴史を学ばないと、知らぬ間に偏った考えをもってしまうと思った」と感想を述べています。この日、テレビ局も取材に来ていて、8月30日に関西テレビで放送されるそうです。
これから2学期の学びが始まります。文化祭もあります。みなさんの視野が広がり、価値観が揺さぶられるような学びになったらいいなと思います。
◆3つ目です。
長い休暇の後の2学期は、リズムを作りにくく、精神的に重くなりがちです。今、そんな思いで座っている人もいるでしょう。
身体の傷は見えるからわかりますが、心の傷は言ってくれないとわかりません。身体の傷も心の傷も、手当てをすれば良くなります。必ず今よりも良くなります。
苦しいことがあったら、小さなことでも相談してください。弱音を吐くことはダメなことではありません。担任の先生に相談しにくかったら、保健室の先生、カウンセラーの先生、サポートルームの先生もいます。24時間の電話相談室やLINE窓口もあります。検索すればすぐ出てきます。一人で抱え込まないで言ってくださいね。
みなさん、厳しい残暑がしばらく続くと思いますが、いいスタートを切ってくださいね。これで2学期の始業の挨拶を終わります。
2022年8月24日